前項の「言葉の理解の遅れ」でも少し触れましたが、自閉症児の多くは「オウム返し」をします。言葉のとおり、オウムのように言ったことをそのまま反復するのです。
わたし「けいちゃん、ジュース飲む?」
けい 「けいちゃん、ジュース飲む?」
このように、オウム返しで返事をしたときは、聞かれたことがわかっていないときです、けいの場合。ですから、視覚で支援できる方法をとる必要があります。うちでは指を2本立て、
わたし「けいちゃん、ジュース飲む、飲まない、どっち?」
けいは、どちらかの指を選ぶ、という方法から入りました。
これはかなりすんなりと意思疎通ができるようになり、何回か繰り返すうちに言葉だけでも通じるようになりました。そのうち、いらないときは「いらない」とも言いますが、「おしまい!」とも言うようになりました。これは二者、または三者程度の選択の質問には手軽でおすすめです。
こういうふうに、視覚から入って選択させる経験を積むと、比較的スムーズにやりとりができるようになります。パターンを覚えるのは得意なので、絵カードや文字カードを作って、会話をパターンで習得させていくのがいいかと思います。たとえば、「ただいま」⇔「おかえり」、「いってらっしゃい」⇔「いってきます」などです。けいは本が好きなので、かこさとしさんの「ことばのべんきょう」で、かなりのパターンが入りました。本が好きな子にはいいのではないでしょうか。
また、質問して3秒待って答えれなかったり、オウム返しをしたときには、しつこく聞かないで(なんぼしつこく聞いても、わからないものはわかりません。これは自閉症児だけでなく、健常児も同じですよね)、答えを教えています。繰り返していくうちに、会話をパターン化できるのではないか、と考えています。かなり根気がいるでしょうが、繰り返しやることがやはり重要です。
